小学校は、低学年、中学年、高学年の3つの段階で見ていくと成長がよりわかりやすいです。
それでいうと3年生は、低学年から中学年に入ります。
そのくくり通りに、低学年から中学年にステップアップした感じの学年のイメージです。
2年生では、お世話されるだけではなく、1年生の先輩としてやってきたので、3年生になるとその姿も板についてきて「自分たちはもうお世話される側ではないんだ」という自覚がより強くなるようです。
難しかった掛け算九九も無事にクリアして、理科や社会といった新しい教科も学ぶようになります。勉強も「どんなことをやるのかな?」と楽しみと期待がいっぱいの時期です。
そんな3年生の友達関係は、どんな感じなのかをお伝えしていきます。
3年生のときの友達関係
うちの子の小学校では3年生で、またしてもクラス替えがあります。
3年生のときにクラス替えをする学校は、全国的に多いのかも知れませんね。
子どもは もうクラス替えを経験しているので、不安よりも「どんな子と今度は同じクラスになるのかな」という楽しみの方が大きいようでした。
3年生ぐらいになると、学校側も学年全体の雰囲気や子ども一人ひとりの個性を把握できてくる頃です。
クラス分けの組み合わせも、きちんとさまざまなタイプが程よく混ざっています。
似たようなタイプであっても、ちょっとした違いや共通点があるかどうかで、クラスの雰囲気は全く変わってきます。
そのため、実際にクラスに着席してみて1、2週間したぐらいで、そのクラスの雰囲気がはっきりしてきます。先生とそのクラスのメンバーとの相性もありますよね。
そのクラスメイトとの日常が、どうしても子どもに影響してくるんですよね。
対人関係の視野がさらに広がる
小学校生活は3年目に突入ですね。
1、2年生で同じクラスになった子は、ほぼどの子の名前も覚えていますし、おしゃべりもしたことある子たちになります。
幼稚園や保育園のときには、気の合う子とばかりいつも遊んでいたような子でも、小学校では授業でのグループ活動があるので必然的にいつもはしゃべらない子とも話をする機会が多くなりますからね。
1クラスは約30人いますので、1、2年生で同じクラスになった子の合計で60人は、ほぼ話したことのある知っている子になるわけです。
そんなに多くの他の人と関わる経験は、ほとんどの子が初めてですよね。
うちの子の学年は3クラスですので、約半数以上は知っている子ということになりますからね。2年間で約60人の人と関わる経験は、大きかったんじゃないかなと思います。
そのおかげか、今までは興味がなかった子に対してもクラスが同じだったリ、話をしたことがあると、子どもが帰宅後に話す学校での出来事にも、以前よりもたくさんの子の名前が出てくるようになります。
その子たちとは、とくにいつも一緒に遊んでいるとか仲良しではないようなんですけれどね。
今までが自分の周囲1m以内に目に入った子ぐらいにしか意識が向いていなかったのが、一気に自分の教室全体と学年の廊下あたりまでに意識が広がってきているんですね。
この辺りが2年生までとはまた違って、興味のある子ばかりではなく、知っている子や直接は関係のないことにも興味を持つようになってきていると感じるところですね。
「暗黙の了解」が何となく通じるお年頃になってくる
うちの下の子は、わからないことはちょっとしたことでも何でも聞いてくるタイプなんですね。
いつも「○○ってなに?」「どういう意味か教えて?」とよく言ってきます。できる限り答えるようにしていますが、最近では「ママもわからないから、まず辞書で調べてみて教えてくれる?」というようにしてます。
できるだけ、自分で調べる習慣をつけてほしいんですよね
友達のことも幅広く興味を持つようになってくれば、どうしたらよいのか悩むことが多くなってきます。
友達関係のことで「こんなときはどうするの?」と聞きたいこともたくさん出てくると思うのですが、子どもが人間関係のことについて親に説明するは難しいんですよね。
よく周囲を見ている子は「こういうときにはこうするんだな」と自分が経験しなくても、わかるようになる子も増えてきます。
そういう子が多くなってくるのが3年生ぐらいです。
そうすると「暗黙の了解」で「言わなくてもわかるよね」みたいな雰囲気が理解できるようになるんですよね。
それによって以前よりは、先生の言うこともちゃんと聞けるようにもなってきます。
友達関係でも「『あのグループ』と『このグループ』はタイプが違うから自分はこのグループの子に声かけてみようかな」という感じに誰に言われるわけでもないけれど、何となく共通の認識が増えてくるんですね。
共通の認識が多くなれば、言葉にしなくても伝わるという思いが生まれるので先生の指導はラクになるかも知れませんね。
ただ それぞれに勘違いや間違った共通の認識を持ってってしまっている場合もありますよね。
「言わなくてもわかるでしょ」というようなことが多くなるからこそ、勘違いや間違えもあることも確認し注意しながら、子どもの学校の話に耳を傾けていきましょう。
基本的には、大人になってもコミュニケーションはとても大切なことですよね。
あまり「暗黙の了解」に頼るのではなく、面倒であっても友達や先生、親子でもコミュニケーションをとっていくことの大切さを引き続き教えていきたいものですね。
人間関係のことや友達のことで知りたいことがあっても辞書にはのっていませんし、親が言葉で教えるのもなかなか難しいですよね。
そんなときに、すごく助かったのが「学校では教えてくれない大切なことシリーズ」です。
マンガやイラストでおもしろ楽しく説明が書かれていて、子どもに難しい内容もサクサク読めてしまいます。
うちの子たちは、読み終わっても ときどき何度もくり返し読んでいるので、似たようなシチュエーションに当てはめて確認しているようですね。
学校での友達関係の悩みにとっても役にたっているみたいです。
自分のキャラや立ち位置がわかってくる
周囲のこともよく見えるようになり、共通の認識が増えてくると、人と比較することも多くなります。
それによって自分と他の子との違いをより感じるようになるので、友達にどのように見られているのかをすごく気にするようにもなるんですよね。
「自分はこういうキャラ」「○○くんは、元気でやんちゃ系」のように、クラスでの立ち位置がはっきりしてくるようです。
自分自身でもそうだと思って(受け入れている)いるし、周囲も同じようにその子のことを見ている(受け入れている)状態ですね。
これが本人が「そういうタイプではない」と不満を持ってしまっている場合に、周囲が勝手に思い込んだり決めつけたりしてしまえば、いじめに繋がることになりますよね。
例え本人も周囲もそのキャラを受け入れていたとしても、やっていいことと、悪いことがあります。
やってはいけないこととは、人を悲しませたり、傷つけることです。
大体 3~4年生にかけてはとくに、そのようなことのないように親や先生が注意深く見ていく時期でもあります。
自分に合う子のタイプがわかってくる
自分が「どういう風に見られているのか」とか「あの子はこういうタイプ」という、うわべのことだけを気にし過ぎると性格的には合わなくてムリして一緒にいることも出てきます。
グループでの付き合いが始まると、合わないから別のグループと遊ぶというのは簡単にはできないみたいです。
中にはどこのグループにも属さずにいる子もいますので、よっぽど楽しくないと感じるのであれば、そういった子や他のグループに移動したりをくり返しながら気の合う子を探していくような感じですね。
なかなか仲良しグループに入れない!仲が良かったのに急に嫌がらせ?
その間には、ちょっとしたケンカや意地悪なことをしてしまう、またはされてしまうこともあります。
親はその都度、心配になりますよね。
子どもが自分が原因でケンカをしてしまったり、意地悪なことをしてしまったとわかったのならば、本人が反省しているのかを確認します。
お互いさまであっても、自分にもよくなかったことがあると認めるのであれば、次の日にはちゃんと自分の方から謝ることは大切です。
そうではなく、もし心あたりがないのに急にイヤな思いをしてしまうようなことがあった場合でも、そのままではよくありません。
イヤなことをする相手は、された子は「嫌がっていない」と思っているからです。なぜなら「嫌だから、やめてほしい」ということは言わなければ伝わらないんですよね。
もちろん、わかっていてもイヤなことをする子もいます。
そういう子にも、自分の口から声を出して「嫌だから、やめてほしい」と伝えるようにしましょう。
口に出して伝えることは、とても大切です。周囲の人も気づくきっかけにもなりますし、自分自身もイヤなことをされていることは嫌だと強く思えるようにもなります。(自分を軽んじることをしない)
自分が伝えることでその子は「悪いことをした」と思うかも知れないし、その子がわからないようであれば、周囲の人が教えたり注意をすることもできます。
イヤなことをされた方は傷つけられる。
してしまった方は先生や親に叱られる。友達に注意される。
このような痛い思いを経験しながら「自分がされてイヤなことは人にはしないんだ」とさらに強く思えるようになるんですよね。
あと、その場を回避する術も身につけるようになると良いですね。
- 悪口を言っているときには、加わらないでその場を離れる
- イヤなことを言われたりされたりしたときには「そういうこと言われる(される)と嫌だからやめて」とはっきり言う
- それでもイヤなことが続くときには、そういう子のそばに近づかないようにして距離を置く
- 親や先生にもイヤなことがあったときには相談する
イヤなことに何も言わないままでいると、そういうことをしている相手はされている相手が嫌がっていることは、わからないままです。
イヤなことは「嫌だからやめて」とはっきり伝えることは大事なことです。
例え、わかっていたとしても言われないからわからなかったという風に言う子もいます。
自分がイヤなことをされたことがない子でも、こういうことはよくないかも知れないと思うことは想像はできます。
現実には
- 「良くないこと」とわかっていてイヤがるようなことをする場合
- 「みんなもふざけて似たようなことをしているし、このぐらいは遊び感覚でいいでしょ」と悪気がなくやってしまっている場合
この2つの場合のどちらかだったりします。
親や先生はこういうことがあったときには「まだ3年生だからね」と見過ごすのではなく、してしまった子にはいけないことだとしっかり教えましょう。
された子の方は、上記に書いた4つのことをして「自分のことを他人から簡単に傷つけさせない方法」をできるように教えていきましょう。
イヤなことする方は、決まって怒られることが多いと思います。
イヤなことをされる方は、される方が悪いことは決してありません。しかし、残念なことではありますが複数の人間関係があるとどんなにいけないことだとわかっていても、イヤなことをしてくる人はいるものです。
そのときに、凛とした態度で自分らしく生きる術が必要になってくるんです。これは大人になっても同じですよね。
やさしい子ほど、そういったことが大切だということを見落としがちです。ぜひ、その術を教えてあげましょう。
一時期は孤立してしまうことがあっても、見ている人は見ています。
ひとりの時間をマイペースで楽しんでいれば、誰かが声をかけてくれますよ。その気になれば、また自分から楽しそうな人を見つけて声をかけてみたっていいんです。
「こうじゃなきゃいけないない」なんてことはないから、安心してムリのないペースで過ごしましょうね。
友達と付き合うことのメリットも考えるようになる
「友達がたくさんいそうな子のそばにいれば、自分が仲間はずれにされることはないだろう」
「人気のある子といれば自分も楽しそう」
「この子は何でも私に合わせてくれるから」
など
その子といることでのメリットを考えて相手と一緒にいるようになる子もいます。
2年生ぐらいまでは、少しはいたのかもしれないけれどあまり見かけませんでした。
どちらかというと「ひとりぼっちになりたくないから誰かといる」
こういう理由で、いつも一緒にいてくそうな子と一緒にいる感じがしています。
この時期は「自分がこうしたいから」という自己主張は一旦落ち着いている時期のような気がします。
ひとりでいないためには「相手に合わせる必要がある」ということを積極的に学んでいるのかも知れませんね。
それは我慢していることも多くなるわけで、この感覚が慣れないうちは、子どもはストレスを多くためていることがあります。親はそのことを頭に置いて、たまに家でストレス発散をさせてあげると良いでしょう。
学校でひとりで過ごすことはあっても良いはずなのに「それは絶対にイヤ」みたいなことになってしまうと、マイペースで休み時間を過ごしたい子にとっては居ずらい雰囲気なんですよね。
図書室はそんな子の憩いの場です。理科室や音楽室なども休み時間に先生がいてくれて解放してくれる場合には、そういった場所もありがたいですよね。
そんな子がいてもいいし遊びたい人は、それぞれ好きな遊びをその日の気分で集まった人とやる。これでいいと思うんですけれどね。
とにもかくにも、3年生の時期はこんな感じです。
気の合う友達のことをもっと知りたくなる
3年生の仲良しグループの構造、何となくおわかりいただけましたか?
グループ重視な感じとは裏腹に、一方ではイヤな思いをしたり、ストレスをためすぎたりするぐらいなら「好きなことをして自分ひとりでいてもいいや」と思うようになる子も、ちらほらと増えてきます。
そういった経験をした子たちは「自分はそのようなことはしないぞ」と強く思うようになるようで、似たような気持ちを持っている子と一緒にいるようになります。
いわゆる「気が合う子」ですね。
「仲良くはしたいけれど、相手の自由を奪うことはよくないんだ」ということを何となくわかってきているようです。
ここまでくると、いつも一緒にいなくても仲良しでいられる子も少しずつ増えてきます。
いつも一緒にいなくたって、相手に興味を持ってお互いに共通することを見つけられるとうれしくなりますよね。もちろん違いがあっても当たり前です。それはそれで「なるほど」と思えるようにすればよいだけですものね。
そうやって、程よい距離感を学んでいくんですよね。
もし、子どもにちょっと悩みがありそうなときには、そっと本を用意してあげると対処法や気持ちの切り替えがしやすいですよ。
まとめ
3年生での友達関係のポイントは「失敗は恐れないこと」
もっと先になってから知らないことが多いよりも、周囲も同じように知らない人が多いこの時期にたくさんのことを経験をしてわかるようになるといいですね。
「やらない方がいいこと」「こうされると、うれしいこと」を知っていくと良いですよね。
失敗すれば、落ち込むこともしばしば。
そんなときも多いかと思います。家ではなるべく楽しい気分でいられる工夫をして「そんな時期もあるさ」と心を軽くしてあげましょう。
大人からすれば「何でそんなことしているのかな~?」と思うことが多い3年生。
しかし、こうやってひも解いてみると「あぁ、こういう経緯でここまで来ているのね」と納得です。
よく「親や先生は子どもを見守ってあげてください」なんて言葉を聞きますが、口出しをする必要がある場合と口出しせずに見守っていくことと両方があると思っています。
どんな場面でそうするべきかの判断は難しいことではありますが、わたしの場合はただ見守るということはしません。
自分のことでなく、クラスや他の子の出来事であっても「こうだったらどうする?」「こういう場合にはどっちがいい?」というように、子どもと一緒に考える時間をつくるようにしています。
そうすると、子ども自身が経験しなくてもバーチャルで体験したかのような感覚になるんですよね。
「経験していないからわからない」とはならないようにすることもできますよ。
周囲に起きた出来事も人ごとだと思わずに考えていくことは、これからどんどん必要になってくることですものね。
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