ずっと続けてきた習い事を、ある日突然「やめたい」と子どもが言い出したらどうしますか?
他の人が「子どもが習い事をやめたがっているのよ」と聞いたことは過去にありました。
しかし、自分の子が幼少期から始めた習い事は、まだまだ続けて行くのだろうなと思って気にもしていなかったのです。
それが突然「習い事をやめたい」と言われたら?
ちょっと冷静でいられなくなります。
そのような状況になっても感情的にならずに現実を考え、親子で納得のいく結論が出せるといいですよね。
そんな経験をお伝えしますね。
子どもの気持ちを聞く前になぜ親が考えるの?
「まずは、子どもに気持ちを聞く方が先なのでは?」と思う方もいらっしゃいますよね。
なぜ、先に親の考え方なのかというと
- 親(私自身)が突然のことに動揺してしまっている
- 子どもの気持ちは言葉だけではわからない場合がある
ということがあるからです。
親の気持ちが高ぶってしまっていれば、勢いあまって必要のないことまで言ってしまうからです。
まずは、突然のことでビックリした自分の心を落ち着かせることが先です。
また、子どもの方は親に何かを言うときには、正直に言うときもありますが、どこかに本心を隠してしまっているときもあるんですよね。
親が「うちの子なんか変だな最近」と思って「何かあったの?」と聞いてみても「何でもないよ」と口をつぐむときありますよね。自分も「親の気持ちを考えたら心配かけないようにしよう」と子ども時代には思ってましたっけ。
子どもの態度を見れば、遠慮しているときには何となくわかりますし言葉とは違う思いが隠されているときは多いものです。
子どもからの話しは、まずはそのままに受け止めるようにします。
それだけではなく、言葉には表れていない子どもの置かれた状況や気持ちも考えてみましょう。
長く続けた習い事をやめたい理由とは
我が家の場合「私が経験した習い事を子どもといっしょに楽しみたい」という理由から始めた習い事でした。幼少期は親子で教室に通っていました。長く続けてきた理由は「子どもと私が楽しい」と感じていたからです。
小学生に入ってからは子どもだけでの習い事となり、私は送り迎えだけとなりました。
子どもだけになってからも習い事は「楽しく」感じていたようです。しかしやる気には波があって、毎日の練習がつまらなく感じるときもあるようでした。
しかし、それでも自分から「やめたい」と言ったことはなかったんです。
友だちの影響
うちの子が9年間続けてきた習い事をはっきりと「やめてもいい」と言ってきたのはつい最近のことです。
ことの初めは、春からの新学期で友達と同じ部活に入りたいという思いからでした。
同級生の子同士でたまたま同じ「運動系の部活に入るつもり」という話をしていたのを近くで聞いていたようで、帰宅後に私にその話をしてきました。「Aちゃん、習い事やめるんだって。それで、中学では○○部に入るらしいんだ」と。
その友達は別の教室ではありますが、うちの子と同じタイプの習い事をしていたんです。少なからず、それを聞いた影響もあったのでしょう。
そしてうちの子は「自分もその部活をやりたい」と言いました。
じつはそれ以前にも、3か月ぐらい前に中学生になったら運動系の部活をしたいと言ったことがあって「習い事を続けるかどうか」「運動系の部活は練習時間がたくさんある可能性」「中学生になれは自宅での勉強時間ももっと必要になる」などについても話しをしたことがあったんですね。
私としては、習い事はこの3年間が伸び時だと感じていたんです。できるだけ続けるように伝えました。そしてうちの子も納得して「高校生になってからやりたかったら部活をする」と話していました。
習い事の伸び悩み
習い事は、課題もどんどん難しくなっていて、できないと思うことも多くうちの子は楽しさを感じられなくなっていました。
最近は家での練習も思うように進まず、進みが遅くなってる様子でした。
他にもやりたいことができた
その習い事は将来の仕事として役立つ可能性は低いんです。
最近は将来のことを現実的に考えることが多くなって、新しくやりたいことや、やってみたいことも増えてきたようでした。
うまくいかない楽しくない
うちの子は習い事に対して「周囲のできる子に比べれば自分は進度が遅れている」という意識がありました。そのせいで自信も持てなくなっていて、自分がその習い事をやっているのか意味がわからなくなっているようでした。「自分には向いていないのかも」と思い、以前のように得意に感じることができなくなっているみたいでした。
やめたい時期は何度か訪れる
思い返してみれば、うちの子が9年間の間に習い事に対して、やる気がない時期は何度かありました。そのたびに「このまま続けていって良いのだろうか」と子どもと習い事の先生といっしょに考えてきました。
発表会などの後
発表会などの後は目的に向かっていつも以上に努力してきて、燃え尽きてしまう感じなのでしょうか。通常の課題にもどったときに、つまらなさを感じてしまうようでした。
新しい教材に変わったとき
新しい教材に変わったときは、学んでいたテーマが大きく変わります。「課題にどうやって取り組んでいくのがよいのか?」がわからずに悩んでしまうことがあるようです。先生に聞けばよいことですが、何をどう聞けばよいのかもわからないんですよね。
そうなると、少しずつ進めていって先生にレッスンでやって見せてもらうしかないんですよね。1週間は自分で練習を進めていくので、進みが悪くすごくモヤモヤするようなんです。
もっと楽しそうなことを見つけたとき
今までは、合間の自由な時間に好きなことができればいいかなというぐらいで、継続的にやらなくてもよいことがほとんどでした。
やってみたいと思っている中学校での部活動であれば、運動部なので練習は休まずに参加して、仲間と共に試合などにもチャレンジするかも知れません。自分だけの都合で予定は組めなくなってくるでしょう。
そういったこともわかってくれば、毎日の練習が必要な習い事との両立は難しく、やはり、今やりたい方を選びたくなりますよね。
その他にも将来、行きたい学校などもぼんやりと見えてきたこともあり、勉強も頑張っていきたい思いもあるようです。
考えてみると「今、やりたいこと」はどれも継続的にやっていくものなんですよね。
目標や楽しさを見つけられていない習い事の優先順位は低くなってしまっているんでしょうね。
やめるかどうかを判断する前にできることとは
子どもが自分から「習い事をやめるてもいい」と言ったときには、なぜだか気分的には怒りたいような苛立ちを感じてしまいました。そのまま、話しを続ければ感情的になってしまいそうな気がしてしまって。
「子どもの人生なのだから、最終的には本人のしたいようにするしかない」という結論は頭ではわかっています。
しかし、子どもは「世の中のこと」や「目の前の壁を越えていく粘り強さ」や「続けることが強みに変わること」をまだまだ知らないことが多くあります。
私は親として、子どものうちから長く続けることで「自分の強みに変わる」経験をしてみて欲しかった。「壁にぶつかっても粘り強く頑張れる子」であって欲しかったんですよね。
こうやって自分の気持ちを書いてみると、私は親の立ち場でしか考えることができていないのがわかります。こういうのを親のエゴとでもいうのでしょうか。
このままではいけない。このまま子どもと話しをしても、子どもの気持ちを考えてあげることはできませんよね。
では、冷静な判断をするためにはどのような考えをしていったら良いのでしょうか。
やめることをすぐには受け入れられない親の気持ちを自覚する
私としては「なぜ?今」「せっかく、ここまで頑張ってきたのに」という気持ちが非常に強くあるんですよね。
子どもの気持ちがわかってからもすぐには「わかったよ」という風に受け入れられないんですよね。
聞いた直後は、ちょっと落ち着いて対応できないぐらい動揺しています。
感情的な気持ちでいると、つい子どもを責めてしまいそうです。
子どもが習い事やめたい気持ちは理解できます。
しかし、感情が落ち着かないと冷静な判断はできません。
子どもがどう考えているのか?知りたいことがいっぱいで、自分でも何が言いたいのかがわからなくなっています。
とにかく、いい親ぶらないで私の正直な気持ちも伝えたい思いが強くなり「ママは自分の正直な気持ちを言うね。正直に言うと、続けてほしいと思っているよ」と伝えました。
そのあとは何だか、さっきまで、ピリピリとしていた自分の気持ちがほわっと軽くなった気がしました。
うちの子もどうしていいのかわからないで大騒ぎしていたのに、ちょっとだけ何かはっきりしたものが見えたようで、自分の答えを出そうと考え始めたようでした。
もしかしたら、私が正直な気持ちを話したことで、自分も正直な気持ちを話そうと決心したのかも知れません。
それから私自身も自分の正直な気持ちを伝えたことで、どこか吹っ切れました。
考えてみれば、私が昔習っていた習い事で小さい子どもといっしょに楽しめそうだと思い始めたことがきっかけで始めた習い事です。あれから9年間です。子どももやっていて楽しそうで、私もいっしょに練習に付き合って習い事の送り迎えをし、月謝を払い、大変でもあり、楽しかった時間でありました。
きっとそんな私の気持ちが、この状態が終わってしまうのが寂しく感じてしまっていたんですね。
そのあとに、うちの子が落ちついた口調で
「習っていたことを自分のペースで週1日、時間をつくって趣味として続けていこうかな」
と言いました。
うちの子は、今の課題には楽しさや興味は感じられないけれど、その習い事でやってきたことは、自分のやりたい課題であれば楽しいんだそう。
何だか、私の「親子で共有できる楽しみがなくなってしまう」という感情をホッとさせてくれました。
あれこれと話しをして、ようやくやっと私にも、もう決断している子どもの気持ちを受け入れる準備ができてきました。
習い事に「楽しさ」を感じるかどうかを聞いてみる
やる気がないときには、たびたび話し合いをしたこともありました。習い事に対して「楽しいと感じることはあるのか?」「続けていきたいと思っているのか?」をその都度、確認してきました。
今までの答えは「楽しいことは楽しい」「続けたい」ということでした。そのため、なんとか現在まで続けてきたんですね。
壁にぶつかって進歩しない状況で練習にやる気がなかったり、何にも考えずにただ習い事に行く日だから通っている状態のときもありました。
それでも「楽しいとは感じている」「続けていきたい」の言葉はいつも聞いていたんです。だから、ここまで続けてきました。
先生との関係や課題について不満があるかないかを聞いてみる
楽しくない理由の一つには、改善の余地がある場合も考えられます。子どもと話してみて以下のような原因も含まれているのなら、改善策も提案してみましょう。
考えられる不満とは
- 先生との関係が悪化している
- 今やっている課題が好きじゃない
- 具体的な目標がなくつまらない
- 習い事に使用している道具が使いずらい
- 毎日の練習時間が多すぎてやりたいことができない
- 指摘されたフォームがなかなか治らない
などです。
改善策とは
- 先生を変えて他の先生に習いにいく
- 先生に相談し課題の方向性を子どもの希望するものに変えてもらう
- 自分を見てもらえる場所(発表会、大会、試験など)に参加することを決め目標を作る
- 具体的にどういうことができるようになりたいか?具体的な課題を見つける
- 今よりも高品質な自分に合った道具に変えてみる
- 進度よりも続けることを優先して、練習時間を減らして負担にならない範囲で細々と続けていく
- 「自己流でも構わない」と割り切って続けさせる
などですね。
これらの問題が必ずしも改善できるわけではないですが、少しでも続けていく道の糸口が見つかればいいなと思います。
似たような人たちはどうしているのかをネットで調べてみる
「子供 ○○(習い事の名前) やめたい」で検索してみると、
ちょうど同じような状況の子の悩みで相談が書かれていたものがいくつか見当たりました。
いろいろな意見をまとめてみると
- 自分もその時期は伸び悩んで練習がつまらなく感じた
- 親に他のやりたかったことを大反対されて続けてその仕事についたが今となっては「やりたかったことをしていれば」とすごく後悔している
- その頃はやる気が全く起きずにだらだらと高校卒業まで続けたがあのときにやめなくてよかった
- 部活がやりたくて習い事は一度はやめた。しかし、またやりたくなり高校生になって習い始めた
- 小学校卒業で習い事をやめて今となれば後悔している
などさまざまです。
「うちの子がどの気持ちに近いのか知りたい」のと「これから先にこうなっていたらと想像できそうかな」と思って、それらの実際のコメントを読んでもらいました。
読み終わって少し考えてから「やはり習い事としてではなく趣味として週1でやっていこうかな」と言っていました。
この辺りから、私の心境もうちの子の決めた結果に合わせて考えられるようになってきたんですよね。「これは、しょうがないことなんだな」と思い始めた感じです。
中学生活をどう過ごしていきたいのかを自覚させる
私が現実(子どもの気持ち)を受け止められる状態になってくると「もし、習い事をやめたとしてどういう中学生活を送るのか」が気になってきました。中学生では、まだ親は子どもから目が離せません。親としては「どこかで手綱を引いていなければ」という気持ちがあります。
子どもが習い事をやめて他のことをしていきたい気持ちは、わかりました。それ以外の大切なことをどう考えているのか聞いてみます。
- 習い事に対する気持ちはどう変化したのかを聞く
- 中学生活の時間配分について説明し、どう考えているのかを聞く
- 中学生活での優先順位について説明し、どう考えているのかを聞く
- 高校受験へ対する考え方について説明し、どう考えているのかを聞く
以上のことを聞くことで「中学生活では、何を一番優先してどのように過ごしていく必要があるのか」を子どもに自覚させます。
この考えを聞くことができれば、自分で言ったことに責任を持ってやってもらうつもりでいます。中学生ぐらいになったら小さなことに細かく口出しするつもりはありません。
下手にうるさく言えば、かえって聞く耳を持ちませんからね。
しかし、しっかりと目は離さずにいきたいと思います。
もちろん、ここぞと思ったときにはビシッと言いますよ。
結論は急がない方がよい
中学校で部活が始まってみなければ、実際には本人にもわからないんですよね。
私たち大人が自分の中学時代を振り返ってみて両立は難しいだろうなと思うから、つい否定的な話しをしてしまっているんです。
それを受けて「両方はできなそうだから、習い事をやめようかな」となっているのもあるんです。そうです。初めは「両方、やっていってみる」とも言っていたんです。ですが、私が「両方は難しいと思うよ」と言ったので「じゃあ、習い事をやめてもいい」となってしまっていました。
まだ、始まってもいない先のことを今すぐに決めてしまうのは、もったいない気がしてきました。
本人は、どちらにしても部活が始まるまでは習い事を続けるつもりでいます。
私はそれまでに習い事の楽しさをもう一度 感じることができる時間がつくれたらいいなと思っています。
もう少しぎりぎりまで、私から結論を急がせるのはやめにします。
子どもが、実際の部活動を仮で体験してみてから決めればいいことですものね。
子どもも、親もお互いに後悔しないためには、結論は急がない方がよいと思います。
まとめ
子どもが小さいときに始めた習い事は、いつかはやめるときがくるのは当たり前ですよね。しかし、いざ現実にやめるとなると、親は「こんな気持ちなるんだなぁ」と思いました。この記事を書いてみて「あぁ自分は、現実を受け止められないでいるんだ」と実感できたんですよね。
子どもが長く続けた習い事を「やめる」と言われたら、一度、親が自分の気持ちに気づいて冷静になるようにしましょう。それから、後に子どもとは話しをした方がよいでしょう。
感情的に話しをすれば、お互いに正直な気持ちが話せないままで後悔します。
親も大人げないとか考えずに、自分の素直に感じたことを言うときがあってもいいんです。そうすれば、日ごろ素直じゃなかった子どもも「自分も思っていることを言おう」と思うかも知れません。
お互いに腹を割って話しをする。そんな親子関係でありたいですね。
最終的には「決断する時期は急ぐことはないんだ」ということにも気づきました。
長く習ってきた習い事は、やめてしまったらもう終わりではなく「一生、子どもの宝として付き合っていけるものになるといいな」と思います。
「○○(習い事)って楽しいな」と思い出せるお手伝いはしていきたいですね。
やめてもやめなくても、親はそんな気持ちでいるぐらいがちょうどよいみたいです。
あとは、子どもの状況をみて時期がくればなるようになるでしょう。
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