一度習った漢字を子どもは忘れていませんか?
小学校に入ると1年生から、ひらがな、カタカナ、漢字と一気に学ぶようになりますね。
学校に慣れるだけで精一杯の1年生の頃には、親も家庭での学習のことまで頭が回りません。そうすると、あっという間に2年生になっていたりします。
漢字学習は、一度やればよいものではないですよね。
毎年、新しい漢字を覚えていくわけですが、一度覚えた漢字も使わないでいると忘れてしまうんですよね。
ある程度、脳に定着させるまでは定期的にくり返し書いてみることがいいようです。
では、どのようにくり返し学習するのがよいのか?
今回は、うちの子が嫌がらずにできている漢字学習法をお伝えしますね。
学校での漢字学習の進め方
小学校では1年生から6年生までの6年間で合計1006字の漢字を教わります。
小2 160字
小3 200字
小4 200字
小5 185字
小6 181字
毎年、各学年で約200文字の新しい漢字を学習していくんですね。
まずは、学校での漢字学習の流れを知っておきましょう。
うちの子の学校では、その単元ごとに習う漢字を1~2週間で新しい漢字10文字ぐらいを学習していきます。
漢字スキルドリルが各学年配られますので、そちらを使って漢字学習をしているようです。
そのドリルは
- 漢字の書き方が5個ずつ
- 読み方
- 漢字を使った言葉(送り仮名に注意する漢字も)
- 力だめしテスト
などが学習できます。
漢字スキルドリルは先生の指示により授業中にやったり、宿題としてやっていきます。
その他に、1~2週間に一度は漢字10問テストを行い、1学期ごとに漢字50問テスト(1、2年生は、無いかも)を行っているようですね。
漢字10問テストでは、自分で作る漢字テストファイルに答案を貼って点数を記入していているのですが「もっと頑張ろう」とか「全部100点にするぞ」とかの励みにしているみたいです。
1学期ごとにある漢字50問テストでは、90点以上とれなければ再テストになります。
再テストは、90点以上がとれるまで、毎日、休み時間や放課後などにくり返しやることになってしまいます。
家庭での漢字学習の進め方
親が「さぁ、家でも漢字学習をしましょうね!」と楽しげに子どもに言ったところで多少のやる気にはなるかも知れませんが、なかなか進んではやりませんよね。
子どもによっては、学校の漢字の宿題でさえ、ぐずってしまうほどですものね。
漢字学習の進め方のポイントは
- 少しずつ
- 毎日(1年間の後半は定期的に)
- 朝に
です。
子どもが嫌がらずにできるように学習配分を考える
子どもが嫌がらずにできる量は、1日に10~15分間で2文字ぐらいでしょうね。
ちょっと欲張って3文字をやらせたこともあったのですが、途中でイスに座ったままボーっとして休憩し始めます。なので、2文字。
集中力が短いのは、うちの子だからかも知れませんが。
大人でも、脳の仕組みからみても深く集中するのは15分程度と言われているようですよ。
毎朝の15分間をドリル学習にする
時間を15分間にする理由は先ほど書きましたが「なぜ、忙しい朝にする必要があるのか?」と思われましたか?
こちらも、脳の働きからしても1日のうち起床してすぐの朝の方が効率的だと言われています。
それともう一つには、帰宅後には宿題や習い事、体の疲れなどもあるためです。子どもは勉強だけでなく、遊びやボーっとする時間、本を読んだり趣味をやる時間だって欲しいでしょうしね。
そのようなことから、1日のスケジュールを見たときに一番よいのは、朝の15分なんですね。
子どもは単純なくり返し作業は嫌い
子どもは、とくに新しいことや刺激があることはもっとやりたくなるのに、漢字やかけ算九九などをくり返し覚える作業は苦手な場合があります。
何しろ、小学生は「なぜ勉強をしなくてはいけないの?」と思ってしまう子もいるぐらいです。勉強に必要性はまだあまり感じていないんですよね。
自分だってそうでしたから、よくわかります。
苦手なことは無理のない程度の量をコツコツと
低学年のうちから、漢字学習の習慣はつけた方がよいです。
たとえ「勉強をする意味がわからなくても」です。
理由は、できない文字が多くなると、今後ずっとますます覚えなくてはならない漢字が増えていき大変になるからです。
この理由を子どもに伝えてあげるとよいと思います。
学校は勉強が大変でもあるけれど、わかることが増えればうれしい気持ちにもなりますよね。友達や先生との交流、学校行事も楽しいでしょう。せっかく行く学校なのだから、できる喜びもたくさん感じてほしいですよね。
学校へ行って、コツコツとその学年に学ぶことをわかるよう(できるように)なれれば、あとでいくらでも加速して力をつけることだってできるんです。
毎日、2~3文字ずつでも少しずつやっていけば、約3か月で1年間分の漢字はひと通り書けるようになりますよね。
そのままでは忘れてしまうので、別の方法で同じ漢字をくり返し書く学習をしていきます。
小学生のうちは、苦手な子は漢字の先取り学習(次の学年の漢字)は考えないで大丈夫です。自信がつき興味を持つようならば、先に進むのもありですね。漢字検定のドリルなどもチャレンジさせてもいいかも知れません。
これから1年ごとにやっていく小学校6年間の家庭での漢字学習は、すべて毎朝の10~15分間のドリルだけです。
もちろん学校でも教えてもらえるのですが、せっかく同じようにがんばるのなら、テストなどでも〇がたくさんある方が子どもだってうれしいですよね。
そのためには、学校の漢字スキルドリルだけではなく、しっかりとした下地固めとして家庭学習を定着させましょう。
1年間の漢字の学習配分と目的について
ただやるのではなく、1年間を通してやり方を変えながらやっていきます。
その期間ごとに目的が違います。
新しい漢字を知る
初めて書く漢字は、書くだけでも疲れてしまうものです。
きれいに書くことも大事ですが、ここでは「書き順をしっかりと覚え、読めるように書ければ良い」ということにします。
4月から7月中旬の夏休み前まで(約110日間)
4月に新しい学年になり初めて書く漢字を学習するのにおすすめのドリルが「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」です。
このドリルのよいところは、A4 サイズのノート式で見開きのA3 サイズで学習できるところです。
「たくさん書かなくても大丈夫!小学生が初めて習う漢字の覚え方」の記事には、「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」の詳細や感想も書いてありますよ。
子どもは、たくさんの問題や細かい文字を見ると苦手意識が働いてしまいますよね。
「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」は、大きくて見やすい、書きやすいのが特徴で漢字を書く量も単語ではなく1文字ずつ。それを1文字につき12個書けばOKです。読み書き問題は1文字に3つあるだけ。
すごく簡単にできてしまうんですよ。
「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」を初めはひと通りの漢字を1日、2文字ずつ毎日やらせていたんです。だいたい100日で全部が終わるので、4月から始めた場合には夏休み前には終わる予定になります。
この期間の目的は
- 書き順
- 文字のなりたち
- 読み方
- 漢字を使った言葉(送り仮名に注意する漢字も)
などです。
そのためには「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」を使用して、無理のない量(1日10分)を毎日コツコツと2文字ずつやっていきます。
このときには、多少、文字が汚くても目をつぶって先に進ませます。(読めないほどもものは、書き直させます)
漢字を覚えたかどうかを確認する
ひと通り、新しい漢字を書き終わると、もうすべて書けるような気になってしまうんですよね。ところが、違うんです。
そのことは確認テストをしてみるとよくわかりますよ。
一度にたくさんのテストはハードルが高すぎますので、確認テストも少量ずつで行っていきます。
夏休み初めの7月中旬から9月末まで(約70日間)
夏休み前に「もう、ドリルぜんぶ終わっちゃったよ」と子どもが言ってきたので「じゃあ、次は漢字の確認テストのような5分間ドリルをやっていこうか」と次のドリルを子どもと相談して決めました。
いろいろ本屋で探してみてよかったのが「毎日サクサク!5分間復習プリント 漢字」です。
「毎日サクサク!5分間復習プリント 漢字」の使い方は「学校のように学んだ箇所をその数日後にすぐにテストをする」というやり方ですと、子どもの記憶力を鍛えるのにはやさしすぎるんですね。
学校でも並行してドリルなどもやっていますので、あえて期間を空けて、1学年分の「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」(書くドリル)がすべて終わってから(3か月たった頃ぐらいから)、確認テストとしてまとめて順番にやっていきます。
こちらは、5分間でできる15問前後の漢字問題が88ページぐらいになっています。
夏休みも含みますからね。気分も変わってちょうど良いのではないでしょうか。
この期間の目的は
- ひと通り書いた漢字の確認テストとして
- できない漢字を自分で認識し、正しく覚えるため(答え合わせはその場ですぐに赤えんぴつで自分でさせます)
- この先の漢字学習のスケジュールを決めるため(どのぐらいできているのかによって、この先のスケジュールも変わっていきます)
などです。
1日に1ページずつやっていきます。
自分で答え合わせと、間違っていれば赤えんぴつで書き直しをするところまでやります。
毎日やれば、約3か月でこのドリル全部が終了しますよね。
しかし次の学年までは、まだまだ時間はあります。
確認テストの間違えが多いときには?
この次の期間は「覚えた漢字をていねいに書く」ことを土日と休みの日のみにしていきます。
しかし、覚えに不安があって確認テストの点数が良くない場合には、平日にも同じ確認テストを別の紙に出題するなどして継続させましょう。
親が付き添ってあげられない場合には、もう1冊5分間ぐらいでできるドリルを用意するとよいでしょう。
やり方は今までと同じです。
答え合わせはその場で自分でやらせ、間違えた漢字を自分で直させます。
そして間違えが多い場合には、翌日の朝に同じ漢字をテストします。
書けるようになるまでは、何日かこの作業をくり返しやらせます。
たくさん間違えがあるときには、一度に5問ぐらいまでにしておきます。
さすがに、2、3回くり返すと書けるようになります。
また3か月ぐらいしたら、簡単な確認テストをしてみる。
このくり返しがよいでしょう。
覚えた漢字をていねいに書く
確認ドリルで、ほぼ〇になっているようならば、次には漢字を定着させる作業に入ります。
はりきって次へいきましょう!
初めにやった「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」をもう一度使って、今度はきれいな漢字を書く練習をします。
10月から3月末までは土日と休みの日だけ(約58日間)
「毎日サクサク!5分間復習プリント 漢字」は、全ページの8~9割は〇でできていました。ここまできて「そろそろ今の学年の漢字は大丈夫そうかな?」と思っていたんですね。
ところがうちの子は、ちょっとメモするときや宿題で文章を書く必要があるときなどには、習ったはずの漢字ではなく、ひらがなで書いているんですよ!
何のために、ドリルで漢字学習をしているのか。。
「急いでいるから、漢字を書くよりひらがなの方が早いから」なんてことを子どもは言います。
しかも小学校中学年の下の子は、相変わらず字が汚いんです。
気合を入れれば、きれいに書くこともできるようになったのですが、気を抜くと全然読めないときもあります。
漢字のテストは、その直前に練習すれば何とか再テストを受けずに済んではいるようです。
しかし、このままではこの先、相手が読めない字をかいたり、必要なときに漢字が思い出せないのでは困ります。
そのために、次にやるべきことは以下のことだと思いました。
- 漢字をていねいに書く
- くり返し書く
同じ漢字の書き方ドリルを2回やる理由とは
「書き終わったドリルを消してもう一度書く」ようにします。
すべてではありませんが、きれいに書けていない文字をもう一度ていねいに書いて学習するためです。
なぜなら一度覚えた漢字は「ていねいに書くこと」に集中できるから
同じ漢字だけを毎日書いていても、おもしろくありませんよね。「つまらない」と感じてしまわない工夫として、今度は週2日の土、日、休日と長い休みだけのドリル学習にしました。
ゆっくりとではありますが、2回目なのでこのぐらいでいいと思います。
すべての漢字を書き直す必要はありません。
きれいに書けていなかったものやバランスが悪いものを書き直しさせます。
1日2文字(10分間ぐらい)でOK。1か月で12文字はできます。
10月~翌年3月までで6か月間(土日だけで約48日)ありますね。
このペースで1日2文字(10分間ぐらい)を続けていくと休日や冬休みなどの休みの日(約10日分ぐらい)もやれば、3月末まで(計58日分)に計算上では116文字は書き直しが可能ですよね。
約200字中、きれいに書けていなかったものが半分あったとしても大丈夫ですね。
一度、書いたことがある漢字は、何となく体が覚えていてくれるので、今度は「ていねいに書く」ということに集中できるんですね。
同じ漢字を書くにしても、神経を集中させる場所を変えることに意味があります。
① 漢字を覚える
② 漢字をていねいに書く
を別々に脳と体に学習させていくイメージです。
最初にやったのは①で、今回やることは②なんです。
同じことをやっていても、目的が違うんですね。
なぜならドリルは一度書くだけではもったいないから
やり方は初めに使用した「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」をもう一度使います。
ドリルをやる前に下準備を親がします。土日になる前に「下村式となえて書く漢字ドリル 漢字練習ノート」の中のきれいに書けていない文字の欄1行すべてを、消しゴムできれいに消しておきます。
一度に消すのは大変なので、ドリルをやる前日に、土日分を合わせて4文字、きれいに書けていないものを選んで消しておくのがいいですね。
そして、土、日にやらせます。
このときには、終わったときにきれいに書けているかどうかを必ずチェックをします。汚い場合には、汚かったマスだけを消してやり直しをさせます。
1年間を通して基本の漢字学習としては、1日この10~15分のみです。
学校での漢字10問テストについて
この学習のやり方で、ほぼ✖もなくできています。
たぶん、その週に習った漢字がほとんどなので、多くの子が100点をもらえているようです。(他の子が家庭学習しているかどうかは不明)
毎日の家庭学習をしておけば、当たり前のように良い点が取れると思います。
学校での漢字50問テストについて
50問テストは、習った時期から少したってから行うため、何も学習していないとかなり難しいと思います。
毎日の家庭学習は下地固めとしてやっておき、2~3日前に配られる、テストと同じ練習プリントで2~3日に分けて、自習テストとしてやっておきます。
できなかった漢字は
- その場で書き直し
- 次の日の朝に、できなかった漢字だけをテスト
をします。
これらをしておくと、一回で合格ができるようになります。
まとめ
ドリルや学習はただやるだけでは、何も身についていないことがあるんですね。
漢字やかけ算九九のようにある程度、暗記していくことが重要な単元は、子どもは苦手意識を持っていますよね。
そのためにいかに「嫌にならないで学習し続ける習慣を持つか」ということがポイントになります。
限られた時間の中で、小学生が(とくに低学年の子)家庭学習をするのはなかなか難しいですよね。遊びたい時期ですしね。
だからこそ、朝の15分を大切にすることを教えて、朝にドリル学習をしましょう。
今回書いた漢字ドリルの学習法は、漢字を何個も書くのが嫌なうちの子でもできています。このぐらいの量でも、確実に漢字学習はできていると成果を感じてもいます。
毎日、たった15分の漢字学習を習慣にするだけで、漢字の苦手を克服できます。
ポイントを押えた家庭学習法で、確実に子どもの自信をつけてたいですね。
ぜひ、漢字学習の習慣を続けていきましょう。
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