読解力と聞くと、思い浮かぶのが本を読むのが好きな子ですよね。
私も本を読むのが好きな子ならば、読解力があると思っていました。
しかし「それは違う」ということに、最近になって気づいてしまったんです。
読解力とは
文章や会話などから「何を言おうとしているのか?」を読み取る能力のこと。
他にも芸術やその他のあらゆる表現方法から「何を表そうとしているのか?」伝えようとしている意図を読み取ることも含まれます。
読解力がない子の特徴
読解力がない子の特徴とは、どのようなことなのでしょうか?
具体的な特徴を見ていきましょう。
相手の言おうとしていることを理解できない
読解力がない子と会話をしていると
- こちらが聞きたいことがあって聞いているときに、細かく説明しないと理解してもらえない
- 聞いたことに対して、こちらが知りたいこととは的が外れた別の視点からの答えが返ってくる
ということがよくあります。
物事の本質を見つけることができない
先ほどの「相手の言いたいことが理解できていない」と似たようなことなのですが
- 何かの話題について話をしていたときに、どうして今その話題で盛り上がっているのかわからない
- 目に見えない気持ちや状況がイメージとして見えてこないため(意識していないため)判断を間違えることがある
こういったことがあります。
その理由は、読解力がない子が一点でしか物事を見ようとしていないからです。
さまざまな角度から見て判断できるようになるためには、たくさんの状況や言葉といった情報からも頭の中にイメージを再生する力が必要なんですよね。
たとえ見方を変えたとしても、言葉の意味や状況をイメージできなければ、その子に見えるものは何もないんですよね。
長い物語や複雑な設定の文章をビジュアルにイメージすることができない
「言葉の意味を知らない」ということは、そのイメージが湧かないですし、もちろん関連するキーワードも浮かんできません。
長い物語や文章では、前後のつながりや何かについて説明する言葉がいくつも入っていますよね。
ほとんどがより正確に思いを伝えるために添えられた言葉のはずが
- 言葉の意味を知らない
- どの部分が重要なことなのかわからない
- 何のことを指しているのかがわからない
となれば、頭にイメージが見えてきませんよね。
それは結局、相手が伝えようとしていることがわからないことでもありますよね。
問題に対してどうやって答えるのがベストなのかがわからない
相手がこちらにわかるような言葉を使って伝えてくれたとして、相手の言っていることは理解できたとします。
しかし、自分の思いを伝えたいときに
- うまく当てはまる言葉が見つからない
- 上手に文章にして話せない
ということで口ごもってしまう、何も答えられない場合もありますよね。
自分の言いたいことを文章にまとめるのが苦手
「自分の言いたいことを文章にまとめるのが苦手とはどういうことなのか?」
わかりやすいように例を見ていきましょう。
うちの子の読解力が足りないと感じたのは、日々のやり取りの中でのことでした。
新学期が始まってすぐにある日のことです。
帰宅後に上の子が学校での出来事を私に話し始めました。
ねぇ、ママ、今日ね
○○先生なんだけどね
赤が好きみたい
それからイチゴが大好きなんだって
今まで最高で100個も食べたことあるらしいよ、すごいよね
何でその話になったかというと、△△ちゃんが「先生、赤が好きなんですか?」って○○先生に言ったから
…うーん、○○先生はイチゴが好きなのね。
えっと、△△ちゃんは何で先生が赤が好きなのが、初めにわかったのかな??
上の子の話で私が理解できたのは
- ○○先生は赤が好きらしい
- ○○先生はイチゴが大好き
- 100個食べたことがある
この3点。
「最高で100個食べた」というからには、1日で100個なのか1回で100個なのかでも印象はかなり変わってきますよね。
上の子の伝え方では
- ○○先生は、何の教科のどんな先生かがわからない(担任ではない)
- ○○先生が赤が好きなのは、どこ情報なのか?自分でそう思っただけなのか?先生が言ったことなのか?
- △△ちゃんは、何で先生が赤が好きなのが初めにわかったのか?
上記のように、わからなくてモヤモヤする部分がいくつかあります。
読解力をUPさせるためにできること4つ
読解力とは、何かを読み取る、聞く側の能力だと思いがちですが、自分が発信する側の立場になったときにもコミュニケーションには欠かせない能力なんですよね。
自分が何かを相手に伝えるときには「何について一番伝えたいのか?」が大切です。
自分が伝えたいことの要点がわかっていなければ、聞く側は話す側が何について話がしたいのかがわからなくなってしまいます。
自分の話しをわかりやすく相手に伝えるときにも、読解力が重要になるんです。
読解力とは
- 要約力
- 語彙力
- 洞察力
この3つの力が総合的に備わっていることなんですよね。
子どもに「主語」と「述語」を使った文章で話しをさせる
相手にわかりやすく伝えるためには「要約力を高める」ことです。
要約力が高いということは「何が言いたいの?」ということを、すっきりと相手にわかりやすく伝えることを言います。
要約して文章にするときのポイントは
- 「主語」「述語」を含めた文章にする
- なるべく短い文章に区切って伝える
- 伝えたい目的によって相手がイメージしやすくするための細かい説明も加える
この3つがポイントです。
先ほどのうちの子の会話を初めから文章にしてみると
① 今日の理科の授業は○○先生だったの。
② ○○先生は真っ赤なセーターを着て教室に入ってきたんだよ。
③ △△ちゃんが教室に入ってきた先生を見てすぐに「先生、赤が好きなんですか?」と聞いたんだ。
④ そのときに○○先生が、クラスのみんなに「赤が好きだということ」と「赤が好きな理由」を教えてくれたの。
⑤ 赤が好きな理由は、大好きなイチゴと同じ色だからなんだって。
⑥ ○○先生は子どもの頃に誕生日に、お母さんに好きなだけ食べていいよって言われて1回で100個も食べたことがあるって言ってたよ。
⑦ ○○先生は1回に100個もイチゴを食べるなんてスゴイよね。
と、こんな感じになります。
要約するというと、とにかく手短にしたくなりますよね。
うちの子もできるだけ早く、一番伝えたいことを口にして話をしているんだと思います。
気持ちは、よくわかります。
しかし、聞いている方はその場にいたわけではないので、その場の状況や補足が足りな過ぎるとイメージが絵として見えてこないんですよね。
ですから、要約するときにも短い文章にするだけでなく、その場にいなかった人にも同じように伝わるように、最低限の補足の説明は必要なんですね。
その場の状況や誰が言ったことなのかによって、話の内容は変わってきてしまうことはありますものね。
読解力を高めるためには正しい国語力を身につける必要がある
『どういったものが「主語」や「述語」なのか?』ということはがわかっていなければ、何事も相手にわかるように伝えることができません。
実際には「主語」「述語」なんて言われても、いちいち会話や文章を書くときには考えることなどありませんよね。
では どうすれば、たくさんの言葉の中から相手の言いたいことを見つけ出したり、相手に伝わるわかりやすい会話ができるようになるのでしょうか。
「もうこれは数をこなして経験し訓練していくしかないのでは?」と思ったんです。
そのためにはシンプルに国語の文法や言葉の使い方を意識した、できるだけ簡単なドリルがあればいいなと思っていました。
- 新しい言葉を知る(語彙力をつける)
- 言葉の使い方を知る(同じ言葉でも使い方によって変化することも知る)
- 文章を作る(言葉の組み立て方を学ぶ)
といったことを子どもにたくさん経験させる必要があると感じたんですよね。
英語で言えば、単語の意味と複数形や過去形、進行形といった場合にスペルや使い方が変わるのを理解するのと同じですよね。
母国語は、文法や単語の変化をとくに勉強しなくても何とか身近な人との間では通じてしまいます。
しかし、自分の家族以外の人や社会に出たときには同じ国に住んでいたとしても、話が伝わらないことを多く経験することもあるかと思います。
その理由の一つは、正しい国語のルールを知らないからなんですよね。
これは、けっこう見落としがちな部分だと思います。
小学校では、文法や言葉の基本的な使い方の授業はあまり多いように感じません。
その分、家で力を入れてやっていく必要があるんですよね。
本屋でピッタリのものを見つけたときには思わず
「これだ!!」
と思いましたね。
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集[小学生版ベーシック]は、小学生の国語力の基礎を身につけるための問題集です。
この問題集の良いところは
- 主語、述語と言った難しい用語を使っていない
- 文字が大きめで問題の数が少なく感じるので子どもにも受け入れやすい問題量
- 例題文がシンプルで身近な文章であるため、子どもが想像しやすい
- 伝えたい目的によって適切な言葉を当てはめて答えていける
といったところです。
文章は、どれだけ相手にビジュアル化させやすく簡潔に伝えるのかがポイントですよね。
イメージが湧きやすいように細かく言う必要のときには言葉をたくさん知らなければなりませんし、すべての説明を細かくしてしまえば、逆にわかりにくく時間もかかります。
同じようなことを伝えるにしてもどういった違いがあるのかが学んでいける問題集なのです。
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集[小学生版ベーシック]は対象が小学生となっていますので、普段から本が好きな小学1年生の子でも楽しんでできると思います。
もちろん、すべてフリガナつき。
あまり文字や文章に慣れていない子でも3年生ぐらいであれば問題なく進められると思います。
高学年の子も、知っているつもりでわかっていないかったことがたくさん出てくると思います。
普段から本を読んでいたとしても、実際にこのような問題をしていくと「こんな考え方があるんだ」と発見が山ほどあるはずです。
我が家の子どもたちはそれぞれに1冊ずつ購入したところ
これ好き!
おもしろい!もっとやってみたい
そっかぁ、よかったね!また探してみようね
子どもも喜んでやってくれる、とても良い問題集だとわかりました。
わからない言葉はその場ですぐに調べさせる
わからない言葉があったときには、先延ばしせずにその場ですぐに調べるのが一番よいです。
それによって「語彙力を高める」こともできます。
「語彙力を高める」とは、言葉の種類を豊富に知っていて使うことができることを言います。
今までは
「わからない言葉は、子どもに調べさる」
ことで語彙力の向上を期待していたのですが、それでは記憶に定着はしないようなのです。
なぜなら、実際に自分で覚えた言葉を使う経験をしていないから。
そのことに気づいてからは
「調べた言葉を、ママにもわかるように手短に教えてね」
と言うようにしています。
子どもは辞書やインターネットで調べると、調べたことをそのまま伝えてくれるわけです。
それだけでは、まだ足りません。
その後に私は「その言葉の意味って例えば○○ってこと?」とか「その言葉に似た感じで△△とかもあるよね」と関連性のある言葉も一緒に連想するようにして、会話をふくらますようにしています。
歴史、算数、英語、漢字といった覚える必要があることは、関連性を持たせてイメージで覚えるのが忘れにくく覚えやすいですものね。
勉強というよりは、連想クイズでもするかのように子どもとのおしゃべりを楽しむといった感じです。
問題の意図を読まないと解けない問題をこなす
「洞察力を高める」ためには文章読解の問題集がおすすめです。
文章読解の問題はどうしても文章を読んでから問題を解くので、ページを開いたときの文字量が多すぎると子どもが拒否反応を起こしやすいんですよね。
我が家の場合、問題集やドリルを購入する際には子どもといっしょに本屋で中を確認するようにしています。
最終的には、子どもが「これならできそう」とOKが出たものを購入しているんですね。
家庭学習で思うのは、そのときにこの部分の学びが足りていないというところをピンポイントで集中的に一時期やることが苦手克服に有効だと感じています。
うちの子が嫌がらずにできた文章読解に関する問題集を3つご紹介しますね。
ちなみに我が家の場合には、文章読解のドリルを集中的にやらせようと思ったのは、小4のときです。
子どもが本を読み始めてから読み終わるのが意外と速かったので、不思議に思い
スゴイね。読むの速くない?
と言ったことがあったんです。
すると
だって、飛ばし飛ばし読んでいるから。それで十分わかるもん
あっあ~、それなら速いわけね。
本当に、読めているの?
うん、だいじょうぶだよ
いいえ、全然だいじょうぶではありませんでした。
その後のテストやドリルなどで間違えるのは、問題の読み間違いや勘違いが多いこと。
それがすべてを物語っています。
読み飛ばしをする子は要注意です!!!
小さいうちから、しっかりと隅々までよく読むクセをつける方がよいですよ。
日頃、時間がなく過ごしている生活では、なかなか難しいことではあるんですけれども。。
さて、そんな経緯で集中的に文章を細かく読み、問題の意図を見つけて答える体験をさせることとなりました。
「単純に文章を読んで問題に答えるのではおもしろくないかな?」
と私は思ったため、ちょっと視点を変えた問題集を探してみました。
1日1回すらすら読解 小4は犬のかわいいキャラクターのチイスケといっしょに楽しく文章読解を学んでいく設定になっています。
かわいいチイスケといっしょに
- 文章のどの部分に注目するのか
- 文章の中にある言葉の役割を見つける
- いちばん重要で言いたいことをどうとらえていくのがよいのか
- 文章の中から気持ちの変化をとらえる
- 表現の工夫をとらえる
- いろいろな文の形をとらえる
- 事実と感想を読み分ける
このようなことが学べるのがいいですよね。
学校でもやっていることもあると思いますが、授業内では1つの単元でいろいろなことを学んでいくので、似たような「言葉」をとらえることを他の文章で置きかえて探す練習はできないんですよね。
それぞれの問題をやる前には見るべきポイントや解説が書いてあるので、考え方もわかるんです。
読解するためのポイントがわかりやすいんですよね。
たとえば
「要点を探してみよう」などの問題でも
「要点って○○のところを見ると見つけやすいよ!」
という風にアドバイスがしてあるんです。
子どもの「困ったな」という思いをうまくサポートしてくれます。
だから「自分でもできる!!」「なるほど、こういうことなのか!」と感じることができるんですよね。
文章読解をいまいち理解できていない子には、ピッタリの導入編としてちょうどいい問題集です。
うちの子もこの1冊を終わる頃には、文章をしっかりと読むべきポイントや見えていなかった文章の中の情報にも目を配る大切さがわかってきたみたいです。
- 本を読んだ後にうちのが言う感想が今までとは少し違ってきた
- これまでとは違って、主人公や登場人物の性格や状況までも入り込んで好きな場面やキャラクターの特徴を言うようになった
- ストーリーの流れもイメージしやすくなった
文章を読むことももちろんですが
- 相手が何を伝えようとしているのか
- 自分が誰かに伝えるときにどんな言葉をどう組み合わせば伝わるのか
がわかると受けとる場合だけでなく発信する側としても、とても役立ちますよね。
「洞察力」は、幅広い「文章の言い回し」や「表現方法」を分類し整理して自分なりに理解する力でもあるんですね。
この後には、意識的にあえてわかりにくい表現の問題をこなしていくのもよい訓練になっていくと思います。
この次には、1回10分ぐらいでできる簡単な文章読解のドリルがおすすめですよ。
せっかく文章読解のポイントを学んだのですから、忘れないうちに自分で確認テストのような形でやっていけたらいいですね。
小学4年 文章読解 (毎日のドリル)は、各ページに短めな簡単な文章が使用されていて、うちの子が言うには読んでいるだけでも楽しいそうです。
1ページの目安の所要時間は10分となっていますので、問題なく毎日続けることができそうですよね。
たとえ間違いがたくさんあったとしても、たくさんの文章を読んで問題に答えようと考える経験は「洞察力」として活かされてくるでしょう。
読解力UPにつなげるために、ぜひチャレンジしたい1冊です。
その次にはステップアップして、少しだけハイレベルな問題集にもチャレンジしてみてもいいかも!
文章問題に苦手意識がなくなってきたら、やってみたいドリルは小学特訓ドリル 読解力4年: ワンランク上の学力をつける!です。
今までのドリルとは違うところは
その分、よく読んで理解してから答えとなる言葉を見つけ出さなくてはなりません。
これまでの読解力の学習が身についているかどうかを確認するためのドリルとして最適です。
まとめ
「読解力がない子というのは、誰かの思いを知ることも、自分の思いを伝えることもうまくできない」ということがわかりました。
読解力がないということは、これから人と関わって生きていくうえで大きなデメリットになってしまうのがよくわかりますよね。
そう気づいたときこそ、今できることをして読解力をUPさせていきましょう。
本を読んでいれさえすれば読解力が身につくというのは、間違っていました。
読解力を高めるためには
たくさんの言葉や文章を見ることで、初めて見る言葉を調べるなどして意味を知るようにすれば読解力につながります。
筆者が文章で伝えようとしていることをその中の言葉から見つけようと考えて読むことができれば、読解力がついていきます。
自分が覚えた言葉をつかってさまざまなシチュエーションでたくさんの会話をすることで、相手に伝わりやすい文章を組み立てる方法も見えてきます。
本を読むことは、とても良いことなのは間違っていません。
少しだけ考えて読むクセをつけるだけで大きな違いがあるんですよね。
そのきっかけとして、考えて読むことをピンポイントで学べる文章読解のドリルはおすすめです。
「読解力」はコミュニケーションには欠かせない、大切な能力でもあるんですよね。
子どもとたくさんの会話をして読解力をUPさせていきましょう。
コメント